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三の丸尚蔵館所蔵の明治美術を系統的に紹介するシリーズ「明治美術再見」の第2回展を開催いたします。 今展では,内国勧業博覧会や内国絵画共進会の開催をひとつの契機として,洋風絵画である油画(洋画)に対して近世期までのさまざまな日本絵画の流派が一括りに扱われるようになる明治十年代以降,諸流派を折衷した多様な絵画表現が摸索されはじめる明治二十年代までの日本絵画に焦点を当てます。これらの作品は,当時は単に“絵画”と呼ばれることが多く,まだ“日本画”と総称されることはほとんどありませんでした。いわば,明治初期から中期にかけては,のちに日本近代美術の一ジャンルとして確立する日本画の黎明期であったのです。そしてこの時期に皇室は,内国絵画共進会等の“展覧会”での出品作品御買上や,明治21年竣工の明治宮殿内杉戸絵制作に各伝統画派の代表的な画家を起用するなど,“絵画”の擁護につとめられました。 本展は,こうした明治初期中期の“日本画”の秘められた魅力を掛幅,衝立,杉戸絵,巻子,画帖など多彩な形状の作品43件により紹介しようとするものです。本展を通じて,豊かな表現力に満ちた明治美術の一端に触れていただければ,幸いです。 展覧会図録(PDF形式:69.6MB) |